Scratchを小学生に教えるときの工夫3つ
子ども向けプログラミング教室で講師としてScratchを教える中で、「どう伝えれば子どもたちが楽しみながら学べるのか」を考える機会がたくさんありました。
特に低学年を担当することが多く、その中で効果を感じた工夫を3つ紹介します。
この3つは、自分の前回の声かけや、ほかの講師の声かけと比べてみて、子どもたちの進み具合がはっきり違うと感じたものです。
この記事でわかること
- Scratchを教えるときの3つの工夫
- うまくいかなかった教え方
- 子どもの集中に合わせた時間の配分
- 講師として学んだこと
結論
小学生にScratchを教えるときは、「すぐ見える変化を作る」「完成形を先に見せる」「専門用語を使わない」の3つが効きました。友達との競争より、昨日の自分と比べるほうが、遅れている子も安心して続けられます。
1. 「分かりやすい変化」を作る
子どもが一番夢中になるのは、目に見えて変化が分かる瞬間です。
例えば、HP(ゲームの中の体力)を増やしてゲームオーバーになりにくくしたり、キャラクターを大きくしたりすると、「すごい!」という反応が返ってきます。
反対に、数値だけを少し変更するような変化では違いが伝わりにくく、興味が続かないこともあります。
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子ども向けの教材では、「すぐに変化が分かること」がとても重要だと感じています。
2. 完成形を先に見せる
作り方を説明する前に、完成したゲームを見せるようにしています。
最初に目標が見えると、「自分も作ってみたい」という気持ちが生まれ、集中力も続きやすくなります。
大人向けの学習では手順から説明することが多いですが、子どもの場合はワクワクする体験を先に見せるほうが効果的だと感じています。
また、マイクラの授業と同じように、Scratchでも先に設計図(何を作るか、どう動かすかのメモ)を書いてから、ゲームを作り始めます。
3. 専門用語をできるだけ使わない
「変数」や「ループ」といった言葉は、最初からそのまま説明しません。
例えば、変数は「名前を書いた箱」、ループは「同じことを何度も繰り返す仕組み」というように、身近なものへ置き換えて説明します。
難しい言葉で止まってしまうよりも、「なるほど」と思えることを優先しています。
難しかったこと
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子どもの集中力は、その日の体調や気分によって大きく変わります。
疲れている日はプログラミングよりお絵描きをしたくなる子も多く、予定どおりに進まないこともありました。
最初はカリキュラムどおり進めようとしていましたが、その日の様子を見ながら内容を柔軟に変えるほうが、結果として楽しく学べることが多いと感じています。
反対に、うまくいかなかった方法もあります。友達と競争する形にして一緒に進めてもらったときは、途中までは盛り上がりました。けれど差がついてくると、遅れている子が自信をなくし、友達の作業をじゃましてしまうこともありました。競争はやる気を引き出すこともあれば、逆効果になることもあります。子どもの組み合わせや進み具合を見ながら使い分ける難しさを感じました。
競争の代わりに、「昨日の自分より一つ進んだら合格」のように、自分の中での目標を決めてもらう方法もあります。比べる相手を友達ではなく昨日の自分にすると、遅れている子も安心して取り組みやすくなるのかもしれません。
講師として学んだこと
子どもへ教える中で、自分自身の理解の浅さに気づくことも少なくありません。
「なんでそうなるの?」という素朴な質問は、大人が当たり前だと思っている部分を改めて考え直すきっかけになります。
説明し直すたびに、自分の知識も整理されていく感覚があります。
作品ができた子には、隣の子に遊んでもらう時間を作っています。「おもしろい!」と言われた子は、次の作品にもすぐ取りかかってくれます。
Scratchの始め方や、できることは「Scratchとは?子ども向けプログラミングの始め方と、教えてみて気づいたこと」でくわしく書いています。
今後挑戦したい教え方
これまでは一人ひとりに寄り添う個別対応が中心でしたが、今後は作品を発表する機会も増やしていきたいと考えています。
自分で作った作品を人に説明することで、プログラムへの理解が深まるだけでなく、自信にもつながります。
発表するのは完成した作品だけでなく、「どこでつまずいて、どう直したか」でもいいと考えています。バグの直し方を自分の言葉で説明できることも、大切な学びだからです。
技術だけでなく、「伝える力」や「考えを言葉にする力」も育てられる教室を目指したいと思っています。
子どもの集中力に合わせた時間配分
低学年の子どもは長時間集中することが難しいため、説明はできるだけ短くし、実際に手を動かす時間を多く取るようにしています。
「短い説明 → 実践 → 振り返り」を繰り返すことで、飽きにくく、理解もしやすいように感じています。
子どもたちは「作る側」より「遊ぶ側」の気持ちでいる子が多く、すぐに遊べないと飽きてしまいます(もちろん子どもによります)。そのため最初は、なるべく簡単な作品をさっと作って、まず遊んでもらうことを大事にしています。慣れてきたら少しずつ作る時間をのばして、考えることそのものの楽しさを身につけてもらえたらと思っています。
子どもに合わせて授業のテンポを調整することも、講師の大切な役割だと実感しています。
教えていて一番うれしい瞬間
一番うれしいのは、子どもと信頼関係ができて、「わからない」「くやしい」といった素直な気持ちを伝えてくれるようになったときです。気持ちを話してくれると、どこでつまずいているかが分かり、一緒に解決しやすくなります。そんな瞬間に、この仕事のやりがいを感じます。
Scratch以外の教材について
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子ども向けプログラミング教材には、Scratch以外にもViscuit(ビスケット。描いた絵を動かして学ぶ教材)やCodeMonkey(コードモンキー。ゲームを進めながら学ぶ教材)など、さまざまな選択肢があります。
教材ごとに特徴が異なるため、年齢や興味、理解度に合わせて選ぶことが大切です。
Scratchはブロックを組み合わせるだけで動きを作れるため、初めてプログラミングに触れる子どもでも取り組みやすい教材だと感じています。
この記事のまとめ
Scratchを教えていて感じるのは、技術を覚えること以上に、「もっとやってみたい」という気持ちを育てることが大切だということです。
楽しさがあるからこそ、自分から試したり、失敗したり、工夫したりするようになります。
子ども向けプログラミング教育では、知識よりも「学び続けたい」という気持ちを育てることが何より重要だと感じています。
これからも一人ひとりのペースを大切にしながら、プログラミングの楽しさを伝えていきたいと思っています。
よくある質問(FAQ)
Q. プログラミング未経験でも子どもに教えられますか?
A. 基礎知識は必要ですが、すべてを完璧に知っている必要はありません。子どもと一緒に考え、試行錯誤する姿勢のほうが大切だと感じています。
Q. Scratchは何歳くらいから始められますか?
A. Scratchの公式サイトでは、主な対象を8〜16歳としています。5〜7歳向けには、より簡単なScratchJr(スクラッチジュニア)があります。私の教室では、文字がある程度読める低学年の子も楽しんで取り組んでいます。興味を持って楽しめることが一番大切です。
Q. 子どもが途中で飽きてしまったらどうすればいいですか?
A. 好きなキャラクターやゲームを題材にしたり、自分で作りたいものを取り入れたりすると、興味が戻ることがあります。無理に進めるより、「楽しい」を優先することが継続につながると感じています。
参考文献
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